円高の理由 2012 7 28

 なぜ、円高になるのか。
その原因として、日本の場合は、
「高い経済成長率」や「金利が高い」ということがあるでしょう。
こういう条件が揃えば、通貨は、当然、高くなるでしょう。

2012年7月28日の日本経済新聞Web刊には、このような記事があります。
「円は買われて当然。成長率・高金利がマネー吸引」
 円には明らかに買われる理由がある。
国際通貨基金(IMF)が16日発表した世界経済見通しで、
2012年度の日本の成長率をプラス2.4%とする一方、
ユーロ圏についてはマイナス0.3%とした。
日本の成長率は米国(プラス2.0%)を上回り、
日米欧のなかでは最も高くなる見通し。
 さらに、日米欧で最も「高金利」の円に、
資金が集まりやすいことも円高の一因だ。
 長年にわたってデフレが続く日本は、
名目金利から物価上昇率を差し引いた実質金利が、
同じようにゼロ金利政策をとる欧米に比べて高い。
 27日に発表された6月の消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)は、
前年同月比で横ばいと予想されていたが、0.2%下落した。
 一方、ユーロ圏の6月のCPIは2.4%上昇した。
実質金利がマイナスの米欧よりも、
「高金利通貨」の日本円に資金が集まるのは自然な流れだ。
(以上、引用)
 私は、過去に何度も、経済を見る時は、
「名目」と「実質」の違いを知っておくことは重要です。
それが、経済学の入り口となると書いてきました。
 難しい経済理論を覚えるよりも、
「名目」と「実質」の違いを理解することが大切です。

名目と実質 2012 5 26
 これは、以前、何度も書きましたが、
経済を知る上で、
名目と実質の違いを知っておくことは重要です。
 「日本は、金利が高い」
これに対して、驚く人が多いでしょう。
「とんでもない。預金金利はゼロに近い」と。
 しかし、たとえ預金金利が5%でも、
インフレ率が7%もあったとしたら、
それは、マイナス金利と言った方がよいでしょう。
表面的な金利(名目)よりも、実質的な金利を考えるべきでしょう。
 逆に、たとえ預金金利が0.01%でも、
インフレ率がマイナス、たとえば-2%もあったとしたら、
実質金利は、十分にあると言えるでしょう。
 そういうわけで、デフレ下においては、
無理に資産運用をする必要はありません。
 デフレ下においては、
名目上の金利は、ゼロに近くなるでしょうが、
実質金利は、十分に満足できるものになります。
デフレの時代には、現金は王様となります。
 「デフレによる被害者は、誰か」
 デフレが続く状況では、
給料が増えないどころか、
給料が削減されるという悩みがあると思います。
 しかし、給料の下落率よりも、
物価の下落率の方が大きかったとすると、
名目上の給料は減っても、
「実質給料」は増えたことになります。
 もう、国民の多くは、そのことに気づいていて、
心の中では、物価に対するデフレ期待が広がっていると思います。
 しかし、さすがに税収には、「実質」という考え方はありません。
税収は、「名目」のみです。
税金とは、「名目」に税率をかけるものだからです。
 つまり、税収とは、基本的に、
企業の「名目利益」や個人の「名目所得」など
「名目」に税率を掛けて計算されるものだからです。
 理屈の上では、「実質税収」という考え方も可能かもしれませんが、
そういうものを計算しても、むなしいだけです。





































































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